Nikon D800E


D800EとAF-S NIKKOR 35mm f/1.4Gをお借りしています。
 
 注目度の高いカメラですからスペックらの詳細情報や使用感は多数出ており
デジタルカメラマガジンさん、インプレスさんから多数もムック本も出ておりますので
今回の僕の報告はノウハウやテクニックのハウツー的なものではなく
撮影した写真に感想や気付いた事を書き添えるスタイルで
つらつらと心情メインで進めさせてもらおうかと思います。

 まず、
お借りしたD800E+AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
セットした大きさ全貌はこんな感じ。

 それから「E」であるポテンシャルを確かめたくて
恰好の題材と出会いからもうワンショット。

 

この野菜の虫除けネットのディテール、かぁぁぁ〜。。。スゲえ。。。
それからそのネットに停まってるちっこいトンボ&飛んでるトンボにも
高画素高精細の恩恵をまざまざと垣間見たと言えそうです。

 

さて、出会いから2日目での僕の35mmF1.4とフルサイズで得たかった一枚

色良し、味良し、香り良し
カメラを構えファインダーを覗く前の期待と
僕がこう出来上がるだろう想定し期待した色やボケやピント具合に
なんなく一致して嬉しかった一枚です。

 付け加えたい事として、お借りするレンズに35mmを選んだ訳は
こんな感じのF1.4で、かつフルサイズでなければこうはならない浅いユルい、
でも撮りたいものの見せたい所に心地良くピントの芯で目線を誘導出来る写り映えと
俯瞰でも説明でもどちらでも終わらない主題に対しての撮り手の意思で
どっちの使途にでも振れる純然たるフルサイズでのボケ感と35mmという画角感とでした。
僕にとってはさっそく手応えのある一枚が収穫出来ました。

 僕は、
高解像でガッチガチでパキパキな解像で強烈パンチを見る人に与える事よりも
ぐぐぅーと繊細さがプラスし見る側の人の琴線に入る込む何かがあるかどうか期待の方が
じつは望んでいた事のような気がします。
 きっとこの要素もこのカメラとレンズなら
解像だけでなく繊細さも導いてくれるのではないか?
その事をこの期間内に精査したくていたんです。

 僕的にはもう充分2日目で合格です。
 
 D800EとAF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
 高画素での微ブレの懸念、高感度の懸念は2日で払拭され
レビューにしてしまえばたった2文字の

「良い」

それだけで済んでしまう予感がして仕方の無いものとこの先もなりそうです。

「E」の付いてる付いてないはアリとナシを同じ条件で2つ比べないと
どっちがどうと言う答えなんぞ出るものでもない訳で
それは愛車のタイヤがすり減って交換の際に同品の別バージョンに取り替えても
是否の検証なんて同じ道を2種類のタイヤで履き替えてカーブでタイヤを鳴らすようなもので
直接な完全な比較は出来ないのと同義かもしれません。

 そんな頭の中からの連想で、ふと車庫でEイジリを楽しんでみました。
僕のポートフォリオを常に見て頂けてる方にはお馴染みのパターンで
羽根を車の屋根に置いての撮影です。
これは以前ひと月お借りしたX-Pro1の時にガラスのクマちゃんを置いたり
馴染みのカメラ屋さんのご好意で3日間お借りしたSD1 Merrillでも羽根を撮っているので
やって見ようと思った訳です。

 

 今回の撮影条件と取り組みは、本当はあまりお勧め出来たものではなく
プロさんのD800Eの解説の通り、本来は昼光下でも三脚を立てられれば立てて
丁寧に取り組むべきな事は正直僕も間違いなくそう思う所です。
仮にチープな三脚や手持ちの際は微ブレ懸念から回避する為にも
高画素なのに高感度も両立している折角の機材ですからISO200や400は躊躇せず使い、
今までの概念を変えてでも受け入れても徳はあっても損の無いカメラに思います。
 

 そう言えば言い足りない追記として
現像マシンの環境もやっぱシビアなの?って件も懸念材料のひとつですね。

 僕の現像環境はコア2時代のiMac 24インチモデルでカスタマイズ無しの3.06Hz 4Gです。
取り込みと書き出しは森林撮影等の情報量の多い被写体だとJpegで30MBを越えますが
常の愛用ソフトのLightroom4に限って言えば64bitで動かしてのRAW調整作業は
はっ?全然問題無く動くじゃんって感じでビックリしました。
もちろん最初の読み込みと書き出しはクソが付く程遅いですが。
これはライトルームのライブラリに送り込んでからのプレビューや操作状態の反映が
名前は挙げませんがアレとコレとソレよりも格段に軽いソフトな事があるからのようです。
他のソフト愛用の方々は、口々にコア2レベルじゃイライラして無理無理って聞きますね。

 僕はD700ユーザーです。
多くのD700ユーザーの人は飛び級な画素数飛躍と高感度の件、連写や反応の件から
手持ちで軽快にが心情として来た僕のようなタイプの人も多く、
敬遠と懸念の壁がとても高いと思い込んでいる方も多いはずで
その件は間違いなく僕もそうでしたが、、、、

 

 正直、その壁は、
使ってみてあっさりと払拭される事も色んな角度から相当あって
言葉ではうまく言えませんが

認めざるを得ないのかなぁ、、

受け入れるベキなのかなぁ、、、

持て余して扱い切れないなんて嘘だったなぁ、、、、

なぁーんて事を、
撮れた写真や、こうしてレビューを書きながら思っていたりします。
もっと色々探って、もっと深く知りたいカメラになってきています。

 半分だけ話しを横道に反らしますが、
ここ近日、フルサイズのエントリーと称すモデルが続々発表になりましたね。
画質も高感度も前評判も賛否ありつつも横並びに良いらしいですね。
では、シャッター速度はどうでしょう?
軒並み1/4000止まりですね。
多くは価格が安いし、スポーツでもそこまで必要とした時無いよとか、
昼光でも余程の事が無いと飛び込まない数値だと言います。
この上げた作品は1/8000秒です。
D700、D300ユーザーは1/8000が搭載されていても
ベース感度ISO200で撮って来ました。
こうした強烈な点光源の逆光の小風景ではヒストグラムでも白飛び警告が光らない
待望の1/8000秒だなぁと痛感しました。
仮にD700かD300で撮っていたらISO200ですから、
こうした光源での真の1/8000は味わえて来ませんでした。
この手持ちのワンチャンスの際に、この一枚だけの為にメニューに潜って
固くなる画質を選んでわざわざ設定をいじって減感にするでしょうか?
だからきっと、強烈な白飛びが前に飛び出して作品にならなかったでしょう。

 D700、D300からの真の後継機を望んでいる人の中には
ISO100での1/8000が待ち遠しい人も絶対あるはずなんです。
 大口径単焦点でのF1.4絞り開放でもそうでわざわざワンショットのトビの為だけに
テンポ良くスナップを撮り歩く際にカバンを開いてNDをセットするでしょうか。
でっかいトラックが縦横する道路側の歩道に大事な彼女を歩かせるようなもので
万が一の飛び出しには保険が必要なのです、万にひとつだからこそ。
どうにも出来ない白飛びをトラックに例えてみましたが
つまりはスポーツだけに1/8000が必要なのでは無いんだと、
きっと僕みたいな撮影スタイルの人は時々そう思うのではないでしょうか。

D800E            AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G

 ISO6400でNR一切オフ。
ピントは自転車の影の中心辺りで。
35mmであってF1.4である事がとても有効に活かせたワンショットかなと思いました。
 フルサイズで純然たる35mmと言う画角は、
注視と説明とを撮り手が開放F1.4から全域使えるフトコロの広さも相まって
いかようにも意思とイメージと出来高をすり合せる事の出来る万能性もある気もします。
印象の順番、背景の説明と印象の心理的距離感のそれぞれのサイズが
この画角である事とこのボケを得られた事で
必要順と必要比率が見た目からも心理内面のどちらの面も
視線誘導と心理誘導とが上手く両立してくれて
表現の深いものになってくれたかなと思いました。

 もしこれがベース感度でノイズレスのツルっツルだったらどうだったでしょうか?
きっと僕なら、よく言われる「あえてのノイズ乗せ」で仕上げたかもしれません。
ノイズって、ときに立体感に逆に先鋭度を足してしてくれたりするんですよね。


 さて、今回のISO感度の件ですが
結果として懸念むんむんだった僕の期待を越えて解消してくれて
とても好印象なものにしてくれました。

 星夜星景の分野でD700の特権特化だと思ってユーザーになったひとりだけど
D800はさぁーって懸念がまたひとつ消えた気のして来るものに思えてなりません。
感度ノイズだけでなく、カラーノイズも格段に目立たないですし
これならまだ検証していない長秒ノイズも期待出来ると思って間違い無さそうですね。

ニコンの話題の製品を扱ってみての雑感とまとめ的感想を記してみたいと思います。

 最初にお断りしておきますが、
出来るだけ素直にNikonユーザーの1人として是非を述べたいので
TVで良く見受けられる、
「cozy個人の感想であり印象や感想、成果には個人差があります」
この前提を付け加えさせて下さい。

 さて、D800E使ってみてどうだったかの件
 
 凄かったです。

 高画素の件。
このクラスとカテゴリーのカメラで今までに無かった未体験の高画素
D700ユーザーの一番の懸念でもありましたが、前回までの述べたように
完全に払拭されてしまいました。
ただやはり、ファイルの大きさ、RAW現像の負荷負担、
D800クラスの画素数をRAWで扱い自分の撮影愛機として迎え入れるなら
嫁入りの環境として、三脚を含めPC、Mac、HDD、メモリーまで考慮は必須となりそうです。
 手持ちにおいての微ブレの懸念も同様に、
他方で散々言われている留意点の励行さえすれば、
それにプラスして有り余る納得の写り映えや手応えの成果写真が出るとも思いました。

 これらの判断はとても意見の分かれる所で
スマホやビジネスノートで扱う事とか、普段の撮影スタイルや
カメラや写真とどうフォトライフをしているかによって十人十色なのだと思います。

 

 一番圧倒された事は何だった?
やはり高画素と高感度の両立と言えると思います。
 何度も言いたくなるのは、
これだけの高画素で、これだけの高感度使えて、相性の良いレンズを使えば
この写真にあるような、絞り開放ISO3200においてこれだけのディテールが得られる事。
僕のように一枚撮り完結の風景を主体とした星夜風景を撮るものには
もう悶絶モンの成果な気がします。
 そして、それを操作するに何不自由無く扱える操作性や情報表示、
数年このクラスのニコンユーザーであったなら設定や各種操作感はマニュアル要らず。
普段常々痛感するポイントでない微細な部分でも
ライブビューがじわじわ良くなりつつある事、水準器の表示、
ISO感度オートにおける下限設定の融通と利便性が組み込まれた事。
バッテリーの仕込みの節度、暗所で痛感出来るAFの動きと精度、
今書きながら思い浮かぶだけでもこれだけあります。

 今年はデジタルカメラの革新のターニングポイントなのは
この秋の新製品、これから発売予定の製品のスペックやウリやコンセプトを見れば
どう考えてもカメラの進歩をあからさまに感じるものとなりそうですね。

 そんな中、
知らずのうちに僕たちは、
なんだか写真の素敵評価じゃなく、カメラやレンズの凄さ評価ばかりを
ついついしてしまっているのかもしれない気のする時があります。

 なにで撮るのかではなく、何を撮った、何が撮れた、何を紹介したいかの部分。
レンズの手前のカメラ良さ自慢紹介を写真で発信するのではなく、

 その日その時、何を感じたか、何を紹介したいのかの
光や被写体や現象や、素敵や奇麗や、切なさや衝撃や感動という
「レンズの向こうにあったものを伝え発信する事」を
初心に戻り考える良い機会なのかもしれません。

 いま一度、
機器の進歩が飛び級で飛躍する年だから
根底の写真の記録の忠実性だけでない部分の
アートや芸術な部分とか、自己の発信のどこが人を動かす事なのか等を
今こそ考えてみたいと思いませんか。

 レタッチすればする程、撮り手側の主張や下心、エゴは加速するのだから、
その逆の写真の根底の伝承してゆく残す「真」を写し取る
撮り手とカメラの向こう側にあった撮り残したいものを伝える事の
立ち会い者で仲介人である事なども忘れずに居たいものです。

 最近では
肉眼を越える描写と言われる言い方をされるカメラも出始めて来た感があります。
 このカメラに僕は
肉眼にとても近い、心の目と等距離な描写をするカメラ
そんな言い方が似合うように思えました。

 

 今はレビューな件もあり
このような撮影した成果も画質評価や機材評価の方に目が行きがちになります。
でも、例えばこの最後の一枚とかを
このくらいの高画素が当たり前の時代になる数年後に見返したらどうでしょう。
きっと、僕だけでなく、見て頂く側の方も
この日この時僕が現場で立ち会って沢山の人に紹介したかったものを
当時最高で最良の成果として撮り残せた事も含め
とても密度の濃いものとだった事もようやく見れるようになると思うのです。

 今を受け入れる事や
今しか撮れないものや、数年前想像もつかなかった事も
機材に捕われずに、でも、受け入れる事も必要で
そのうえで
最良の機材を介して未来へ繋げる良質の今を撮り残せるのが良いのかもしれませんね。


 僕はこれらの機材を扱い切れただろうか

 僕にはこの機材は向いているだろうか

 正直、ひと月でますます困惑な気もしつつあります。

 そして
僕にはこの機材を手に入れる条件の全環境を固める事はどう考えても
自分のエンゲル係数からはみ出る事は算段しなくてもわかってしまいました。

 だからこそ、
このひと月で自分のMacのフォルダーに
D800EとやAF-S NIKKOR 35mm f/1.4Gで成果として撮り残せた作品は

 貴重であり

 ありがたくもあり

 未来で見返せる色褪せない財産となりました。


投稿日:2012/09/29

D800E            AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G