日の丸構図、平構図、王道、定番、俯瞰、圧縮。


     良い平構図は平構図でない要素が盛り込まれている

水平線が真ん中にある事、意図して線を対象に置いているけど

その上下に自分との距離感と置かれた写したいもの写されたものの

視点や気持ちの消失点が平で無ければ水平線が真ん中であっても

回想も味わいも上下違う広がりを見せるもの。

 

だから、色もスケールも見せたいものも

風景の広角であるのに、平構図で全てを同じ距離に圧縮してみせてはいけないと言う事。

画角による消失点と、画角外までを回想できる広がりや

その風景が自分の足元までの距離感を感じれるものなのかも大事になって来る。

 

 日の丸構図もそうで

対象が真ん中にあっても

それを取り巻く風情やその上下前後左右の副要素が

真ん中に主題がある事で効果的に表現でき、それが一番適していれば

それが正解の主題の置き方なはず。

 

望遠の圧縮効果もまた勘違いが多い。

圧縮された距離感だけの窮屈にするのが目的ではなく

見たいものを俯瞰距離であっても自分の足元から視点視線の消失点までを

一枚の中に作らなければならない。

 

シンメトリーはまた別の意図の見せ方で平構図でも日の丸でもない。

ポイントとなる要素と要因と感じたものや、そのメッセージが何なのかが

いっそうセンシティブに写真に反映するように思う。

 

 見たいものだけを、思った大きさで、位置で、

画角に入れたいだけで撮った写真を後から見返した時に、

自分で思った事と違うなぁと思ったり、人に上手く伝わらなかったりした時に

後付けででも何が見心地をおの取り巻く要因となっているかを探ったり

考えるのもまた楽しいものであり、深いものであり

自分が良いと思ったものの印象が

数年後に見返した時に正解だったかそうで無かったかが見えて来る事もある。

 

 一枚の

構図も露出も対象の大きさも位置も画角も

遠近感もスケールと対象と副題の関係や大きさも

トリミングやRAW現像という手だてがあったとしても

 

 基本は

シャッターを押した現場での瞬間の

それ以外に

決定した瞬間を選択し直す事って出来ない事実。

 

 動かないし一枚だし

戻ったり遡ったとしも得られないものは写真には多い。

だから深くもあり面白いのかもしれない。

 

 今はまだ

日の丸で良い、王道で良いと、そう思わずに

一枚の世界観の空間と距離感と

フレームの外までを描いてもらう事や

色々が写っていてもそのポイントの小さなキーワードに

視線や気持ちを誘導出来る写真である事を考えたり突き詰めたりしたいものだ。

 

 王道の、ベタの、使い古されたものだの、

それで何が悪いんだと啖呵を切るのは、

もう少しお爺ちゃんになってからでも良いような気が

今の僕にはしています。 


2013/02/15