Cokin NDハーフグラデーションとあれこれ

「百聞は一見に如かず」
一目瞭然の使用凡例をご覧頂ければと思います。

NDハーフをレンズの半分で効果が解るようしてみています。
効果の出やすい冬の冬晴れの何気ない郊外のワンシーンです。




一般に空と大地での輝度差の大きい、逆光と間向かう様な
朝日や夕日の撮影で使用されるケースが多く想定されますが、

他にも色んなケースで
上と下とや右と左での輝度差をカメラだけの制御だけでは
意図したものの想定に歩み寄れない時があるものです。

カメラの露出制御、測光は
白のものを18%グレイに、その逆に黒のものも18%グレイに、
実に真面目に働くので
冬の雪の情景は白がアンダーにくすむのでプラス補正が定石だし、
朝日や夕日と逆光で向き合う時の足元と遠くの太陽の輝度差に
幾ら優秀にカメラの逆光補正を駆使しても、
荒れたり適正に現場で追い込めないまま持ち帰る事もありますよね。

そうしたものは昨今のRAW現像ソフトなら
覆い焼きや段階フィルターの効果レイヤーを適用すれば
グラデーションの効果の範囲や濃度も
露出やコントラストも合わせて自由に追い込めますが、
ハイライトの飛んでしまってデータの希薄になった帯域では
色を復活させたり白トビのキワのトーンジャンプ等も起こりますし
レンズとセンサーに光と色を取り込む前でコントロールされたものよりも
懐の幅の狭いデータになるのも考えればわかりますね。



フィルターは様々で
型番と仕様で境目のグラデの移り変わりがそれぞれ結構違います。





ただ、本題と大きな要点として
使用するフィルターの型番選択だけでなく、
シリーズで違うサイズを選ぶ目的や使用方法と使途だけでなく、

更に、
自分の使用レンズと使いたいレンズによって
フィルター効果のグラデーションの有効帯域と
前玉の大きな広角レンズか望遠レンズかでも
同じフィルターとサイズでも効果の掛かり方が違う事。

そしてまた更に、
同じ画角でも、前玉の大きなレンズと小型直径のレンズででも
写真でお分かりのようにフィルターの効果とつなぎ目の占有率が変わるので
どれがベストなチョイスかの答えは有って無いようなもので、
幾つもの要素のとても多くの順列と組み合わせが必要となりそうですね。

前玉の小さい代表と前玉の大きい代表にNDを当てがってみると
こうしてグラデーションのかかる部分の比率が違う訳です。


下部まで効果のあるフルグレイであれば他の用途として
1/4000上限のカメラや、ベース感度がISO200始まりのカメラと
F1.4クラスの絞り開放で使う際の減光として翳すのも有効ですね。
浅く自然なグラデ効果を使えばオーバーシュートを回避出来て
強烈な昼光下でとても自然で適正なものが撮れますね。


ざっくりとした総評として
プラス補正をしないと画面全体で適正にならないようなシーンで、
地面と太陽のどちらかを適正で撮り得たら、どちらかが犠牲になるシーン、
そんな一枚のシーンの中でカメラ制御の範疇をこえる輝度差を
フィルター一枚翳すだけで
素直なカメラで制御の適正なコントロール下に収める事が出来るので
とても有効である事をとても痛感します。

主題の適正のために、犠牲にしてあっさりになってしまう空とかも、
色彩のコクが出てくれて太陽などのハイライトのキワが良好になり
雲の抜けが良くなり空との距離感も主観とマッチするようになります。
RAW現像の後処理でつじつまを合わせるよりも簡単に
色の濁りなく、画像の引っ張り調整を控えることが出来て、
トーンジャンプのない豊かな空と地表の主題の両方に良い効果が出ます。
空の露出周りを後処理すると、どうしても雲が濁ったり荒れや雑味が出るんですよね。


使用使途は朝夕の太陽と対峙するシーンだけでなく
斜めに翳して使ったり、時には都会の真ん中のビルの隙間で
光の輝度差がカメラの逆光補正でも上手くいかないシーンで
左右をコントロールするのに使っても良いし、
淡白な平面で濃淡や奥行きや遠近感の表現として
斜めに効果を適用して使うのも良いと思います。

みあげRe.ば





皆さんが導入に踏み切らない理由も、使っていて逆に良く分かります。
第一に面倒ですよね、手間とかの使用する際の所作が。
ホルダーを用いる想定をしても、バッグからスッと出し入れが出来ないですしね。
僕は上記の理由と撮影スタイルが手持ち主流なので
レンズの前で翳す手法で使っています。


以外にレンズと被写体との間に挟むものなので
被写体と反対方向や上や斜めからの入光の影響や
両面に埃を纏うので、その影響によるフレアやゴーストの懸念も
シーンや条件、光との立ち位置によっては悩まされるかもしれません。





一般に見かける製品使用作例での過度な効果の掛かった仕上がりは
僕レベルの撮り手でもNDハーフのせいで逆に不自然だなぁ、
現像ソフトで仕上げを追い込んだ方が良いな、そんな使用例も見かけます。
露出が減光されると色彩とコントラストが上がるので
どうしても過度に効果がかかると効果部分の露出が下がるだけでなく
不自然な境目といった単純に解る事だけでなく、解る人には解る遠近感の違和感、
上下での変な色温度の差やコントラスト濃度の逆転になったりしますから。



デジタルになってフィルターワークはどこかで、
もう古典的な手法でしかないよという傾向もありますが、
センサーとレンズの前で適正にコントロールされたのならば
くすみや濁りのない清い描写の作品が生まれる事は
この先に幾らデジタル処理やソフトコントロールの便宜度が増したとしても
フィルターワークの所作を通した作品のアドバンテージは
この先も、永遠に一歩上なのかもしれないと思う自分も居ます。



使用頻度や常用する割合は今後もとても少ないと思うけれど、
そうした事を年に幾度かするだけで、ずっとフォトライフが楽しかったり
好きでいられたりするもの、そういうちょっとした事ですよね。

Exifにも出ない、使った事の分からない、見る人に対して、
その説明の都合は言う意味も意義も何も必要ないよと言う
そんなフィルターワークにひとり作品を見返してニヤニヤするのも
またひとつ、フォトライフの醍醐味ではないでしょうか。


僕が一番に思う事は
使った事が序実に解る使い方をしない事ではないでしょうか。
使った事を悟られなければ、その使い方は適正で正解であると言える気がします。

あくまで、見て感じたものをありのままに写す事を念頭の目的として使い、
どこまでも自然な仕上がりの為に、後からコントロールし切れないものに対して
回避と対処を念頭として使うものだと思うのです。

僕のポートフォリーの中でどんなフィルターワークがされているか、
どんな画像処理がされているか、気にかかる人が少なければ、
僕のフィルターの使い方と作品の仕上げは正解なのだろうと思うのでした。


今回凡例のNDフィルターは
Cokinの一番大きいシリーズで
X-PROシリーズのX120、X121、X121S、X121F
サイズはW130×H170mmを例としています。


立派なケースが付属しますが、丈夫で立派でぴったりした造りなので
出し入れの摩擦の静電気で埃が付帯しやすいのが使用している上で気にかかります。
クリーニンククロスで袋状のものなどで携行すると
指で握って使う際の油脂を拭き取ったり、埃を払うのに宜しいかと。

追加の留意点として、フィルターの類と言うのは、基本的に減光が伴うので
SSの低下が伴う事も頭に入れておく事をお勧めします。

持っているけど、買ったけど、あまり使っていないって人もいると思うので
とりあえず一枚レンズに当てがって見る為に、借りてみても良い気がします。
おそらく一枚では足りないと思うケースになる事の方が多いよう察します。

利便性やグラデーションが綺麗なのも、濃度や効果バリエーションも
海外ブランドの方がサイズも合わせ圧倒的に種類も豊富ですが、
もし在庫が無いと、納期が軽く一月単位でかかる事も良くあるようです。
購入時に頭の隅に入れておくと良いと思います。

どの傾向のクラデーションと濃度が合うかはその日その時のシーンで変わりますから、
それを探る必要や研究も楽しみとして行くと、きっと楽しいフォトライフになると思います。

投稿日:2015/02/11

Cokin NDハーフグラデーションとあれこれ

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「百聞は一見に如かず」
一目瞭然の使用凡例をご覧頂ければと思います。

NDハーフをレンズの半分で効果が解るようしてみています。
効果の出やすい冬の冬晴れの何気ない郊外のワンシーンです。


アップロード画像

写真を拡大する

カメラ:
オリンパス OLYMPUS PEN mini E-PM2
 
焦点距離:
19.0 mm
 
フラッシュ:
Auto Did not fire
 
撮影モード:
Aperture-priority AE
 
シャッタースピード:
1/640秒
 
絞り数値:
F10.0
 
露光補正量:
+0.7EV
 
ISO感度:
200
 
ホワイトバランス:
As Shot


一般に空と大地での輝度差の大きい、逆光と間向かう様な
朝日や夕日の撮影で使用されるケースが多く想定されますが、

他にも色んなケースで
上と下とや右と左での輝度差をカメラだけの制御だけでは
意図したものの想定に歩み寄れない時があるものです。

カメラの露出制御、測光は
白のものを18%グレイに、その逆に黒のものも18%グレイに、
実に真面目に働くので
冬の雪の情景は白がアンダーにくすむのでプラス補正が定石だし、
朝日や夕日と逆光で向き合う時の足元と遠くの太陽の輝度差に
幾ら優秀にカメラの逆光補正を駆使しても、
荒れたり適正に現場で追い込めないまま持ち帰る事もありますよね。

そうしたものは昨今のRAW現像ソフトなら
覆い焼きや段階フィルターの効果レイヤーを適用すれば
グラデーションの効果の範囲や濃度も
露出やコントラストも合わせて自由に追い込めますが、
ハイライトの飛んでしまってデータの希薄になった帯域では
色を復活させたり白トビのキワのトーンジャンプ等も起こりますし
レンズとセンサーに光と色を取り込む前でコントロールされたものよりも
懐の幅の狭いデータになるのも考えればわかりますね。



フィルターは様々で
型番と仕様で境目のグラデの移り変わりがそれぞれ結構違います。

アップロード画像

写真を拡大する

カメラ:
オリンパス OLYMPUS PEN mini E-PM2
 
焦点距離:
53.0 mm
 
フラッシュ:
Auto Did not fire
 
撮影モード:
Program AE
 
シャッタースピード:
1/15秒
 
絞り数値:
F4.3
 
ISO感度:
1600
 
ホワイトバランス:
Custom




ただ、本題と大きな要点として
使用するフィルターの型番選択だけでなく、
シリーズで違うサイズを選ぶ目的や使用方法と使途だけでなく、

更に、
自分の使用レンズと使いたいレンズによって
フィルター効果のグラデーションの有効帯域と
前玉の大きな広角レンズか望遠レンズかでも
同じフィルターとサイズでも効果の掛かり方が違う事。

そしてまた更に、
同じ画角でも、前玉の大きなレンズと小型直径のレンズででも
写真でお分かりのようにフィルターの効果とつなぎ目の占有率が変わるので
どれがベストなチョイスかの答えは有って無いようなもので、
幾つもの要素のとても多くの順列と組み合わせが必要となりそうですね。

前玉の小さい代表と前玉の大きい代表にNDを当てがってみると
こうしてグラデーションのかかる部分の比率が違う訳です。


下部まで効果のあるフルグレイであれば他の用途として
1/4000上限のカメラや、ベース感度がISO200始まりのカメラと
F1.4クラスの絞り開放で使う際の減光として翳すのも有効ですね。
浅く自然なグラデ効果を使えばオーバーシュートを回避出来て
強烈な昼光下でとても自然で適正なものが撮れますね。


ざっくりとした総評として
プラス補正をしないと画面全体で適正にならないようなシーンで、
地面と太陽のどちらかを適正で撮り得たら、どちらかが犠牲になるシーン、
そんな一枚のシーンの中でカメラ制御の範疇をこえる輝度差を
フィルター一枚翳すだけで
素直なカメラで制御の適正なコントロール下に収める事が出来るので
とても有効である事をとても痛感します。

主題の適正のために、犠牲にしてあっさりになってしまう空とかも、
色彩のコクが出てくれて太陽などのハイライトのキワが良好になり
雲の抜けが良くなり空との距離感も主観とマッチするようになります。
RAW現像の後処理でつじつまを合わせるよりも簡単に
色の濁りなく、画像の引っ張り調整を控えることが出来て、
トーンジャンプのない豊かな空と地表の主題の両方に良い効果が出ます。
空の露出周りを後処理すると、どうしても雲が濁ったり荒れや雑味が出るんですよね。


使用使途は朝夕の太陽と対峙するシーンだけでなく
斜めに翳して使ったり、時には都会の真ん中のビルの隙間で
光の輝度差がカメラの逆光補正でも上手くいかないシーンで
左右をコントロールするのに使っても良いし、
淡白な平面で濃淡や奥行きや遠近感の表現として
斜めに効果を適用して使うのも良いと思います。

アップロード画像

写真を拡大する

カメラ:
オリンパス OLYMPUS PEN mini E-PM2
 
レンズ:
オリンパス M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R
 
焦点距離:
14.0 mm
 
フラッシュ:
Auto Did not fire
 
撮影モード:
Aperture-priority AE
シャッタースピード:
1/200秒
 
絞り数値:
F8.0
 
露光補正量:
+0.7EV
 
ISO感度:
200
 
ホワイトバランス:
Auto




皆さんが導入に踏み切らない理由も、使っていて逆に良く分かります。
第一に面倒ですよね、手間とかの使用する際の所作が。
ホルダーを用いる想定をしても、バッグからスッと出し入れが出来ないですしね。
僕は上記の理由と撮影スタイルが手持ち主流なので
レンズの前で翳す手法で使っています。


以外にレンズと被写体との間に挟むものなので
被写体と反対方向や上や斜めからの入光の影響や
両面に埃を纏うので、その影響によるフレアやゴーストの懸念も
シーンや条件、光との立ち位置によっては悩まされるかもしれません。

アップロード画像

写真を拡大する

カメラ:
ニコン D610
 
焦点距離:
50.0 mm
 
フラッシュ:
Off
 
撮影モード:
Aperture-priority AE
 
シャッタースピード:
1/160秒
 
絞り数値:
F13.0
 
ISO感度:
100
 
ホワイトバランス:
Custom




一般に見かける製品使用作例での過度な効果の掛かった仕上がりは
僕レベルの撮り手でもNDハーフのせいで逆に不自然だなぁ、
現像ソフトで仕上げを追い込んだ方が良いな、そんな使用例も見かけます。
露出が減光されると色彩とコントラストが上がるので
どうしても過度に効果がかかると効果部分の露出が下がるだけでなく
不自然な境目といった単純に解る事だけでなく、解る人には解る遠近感の違和感、
上下での変な色温度の差やコントラスト濃度の逆転になったりしますから。



デジタルになってフィルターワークはどこかで、
もう古典的な手法でしかないよという傾向もありますが、
センサーとレンズの前で適正にコントロールされたのならば
くすみや濁りのない清い描写の作品が生まれる事は
この先に幾らデジタル処理やソフトコントロールの便宜度が増したとしても
フィルターワークの所作を通した作品のアドバンテージは
この先も、永遠に一歩上なのかもしれないと思う自分も居ます。



使用頻度や常用する割合は今後もとても少ないと思うけれど、
そうした事を年に幾度かするだけで、ずっとフォトライフが楽しかったり
好きでいられたりするもの、そういうちょっとした事ですよね。

Exifにも出ない、使った事の分からない、見る人に対して、
その説明の都合は言う意味も意義も何も必要ないよと言う
そんなフィルターワークにひとり作品を見返してニヤニヤするのも
またひとつ、フォトライフの醍醐味ではないでしょうか。


僕が一番に思う事は
使った事が序実に解る使い方をしない事ではないでしょうか。
使った事を悟られなければ、その使い方は適正で正解であると言える気がします。

あくまで、見て感じたものをありのままに写す事を念頭の目的として使い、
どこまでも自然な仕上がりの為に、後からコントロールし切れないものに対して
回避と対処を念頭として使うものだと思うのです。

僕のポートフォリーの中でどんなフィルターワークがされているか、
どんな画像処理がされているか、気にかかる人が少なければ、
僕のフィルターの使い方と作品の仕上げは正解なのだろうと思うのでした。


今回凡例のNDフィルターは
Cokinの一番大きいシリーズで
X-PROシリーズのX120、X121、X121S、X121F
サイズはW130×H170mmを例としています。


立派なケースが付属しますが、丈夫で立派でぴったりした造りなので
出し入れの摩擦の静電気で埃が付帯しやすいのが使用している上で気にかかります。
クリーニンククロスで袋状のものなどで携行すると
指で握って使う際の油脂を拭き取ったり、埃を払うのに宜しいかと。

追加の留意点として、フィルターの類と言うのは、基本的に減光が伴うので
SSの低下が伴う事も頭に入れておく事をお勧めします。

持っているけど、買ったけど、あまり使っていないって人もいると思うので
とりあえず一枚レンズに当てがって見る為に、借りてみても良い気がします。
おそらく一枚では足りないと思うケースになる事の方が多いよう察します。

利便性やグラデーションが綺麗なのも、濃度や効果バリエーションも
海外ブランドの方がサイズも合わせ圧倒的に種類も豊富ですが、
もし在庫が無いと、納期が軽く一月単位でかかる事も良くあるようです。
購入時に頭の隅に入れておくと良いと思います。

どの傾向のクラデーションと濃度が合うかはその日その時のシーンで変わりますから、
それを探る必要や研究も楽しみとして行くと、きっと楽しいフォトライフになると思います。